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写真の部
<関次男選>(佳作入選者は順不同〉

◆組合活動の部

特選「分会旅行会(浴衣をめくると)」伊藤 和永さん【東村山支部】
1席「おめえ!!よ〜(木工教室にて)」高田 昌彦さん【墨田支部】
2席「若者よ、先頭を切れ」浅山 了二さん【江戸川支部】
3席「土建の旗、ニューヨークになびく」余田たけ子さん【東村山支部】
佳作「お母さんといっしょ」浅山 和江さん【江戸川支部】
佳作「守るぞ!建設国保」小川 延男さん【北支部】
佳作「チームワーク」菊池 亮さん【多摩西部支部】
佳作「このパワー」原島 正義さん【西多摩支部】
佳作「いのちをまもる」柏葉 幸子さん【町田支部】

◆風景の部

特選「霧の夜明け」駒形 光男さん【墨田支部】
1席「冬の公園」野村 明雄さん【日野支部】
2席「影と踊る」山岸 妙子さん【清瀬久留米支部】
3席「高層ビル」清水 七郎さん【小平支部】
佳作「明暗」深谷 隆行さん【葛飾支部】
佳作「箱根 大涌谷」横田 新ーさん【大田支部】
佳作「タイトルなし」谷口 哲士さん【武蔵野支部】
佳作「竹林を抜けると」加藤 昇平さん【武蔵野支部】
佳作「巨樹」吉野 弘司さん【西多摩支部】

◆スナップの部

特選「大都会の大きな大きな鏡」芳井 武さん【葛飾支部】
1席「洗浄」荒井 忠吉さん【西多摩支部】
2席「水遊び」佐渡 初枝さん【武蔵野支部】
3席「ツリーを取る」志賀 照夫さん【墨田支部】
佳作「ダイナミックな養生シート」畠 英章さん【墨田支部】
佳作「がまの口上」寺内 博さん【江東支部】
佳作「初夏の戯れ」渡辺 睦男さん【江戸川支部】
佳作「まつりにて」遠藤 喜世志さん【江戸川支部】
佳作「やったー大成功!」小澤 憲治さん【日野支部】
<支部厚生文化部長選>(佳作入選者は順不同〉

◆家族の部

特選「修行〜!」平松 恵子さん【多摩西部支部】
1席「しっかりつかまってナ、飛ぶよ!」野津 俊夫さん【練馬支部】
2席「えいとくんの車」堀田 祐子さん【目黒支部】
3席「お父ちゃんのお手伝い」丹野 俊彦さん【西多摩支部】
佳作「好日」岸田 俊男さん【葛飾支部】
佳作「合作きれいな花咲かせようね」芳井 武さん【葛飾支部】
佳作「ママがんばって」吉川 恭司さん【練馬支部〕
佳作「みんなでシェー」久保 猛磯さん【西多摩支部】
佳作「パッチリ!力メラ目線!!」及川 世康さん【東村山支部】

選評 関 次男

【組合活動】の部

特選「分会旅行会(浴衣をめくると)」

 お酒が入っているとはいえ、何とも楽しそうな写真です。思わせぶりな"チラリ"で分会名をアピールするなど憎い演出です。シャッターチャンスの良さで、主婦の皆さんの表情・格好が写真を生き生きとしたものにしています。それぞれの人柄が生かされています。日ごろの強い絆というものが浮かんでくるようです。

1席「おめえ!よ〜(木工教室にて)」

 お互いの真剣な表情がいいです。この場合、ストロボを発光させたことで組合員さんの汗が光り、真剣な表情が強調されました。撮りたいものに思い切り近づいたことで力強い写真になりました。後ろの子を隠すようにするとよかったですね。
 

2席「若者よ、先頭を切れ」

 行燈や街灯などを効果的に取り入れた上手い写真です。夜のデモの感じがよく出ています。この写真もストロボを発光させたことで若者が浮かび上がり、伝いたいことがはっきりした写真になりました。

3席「土建の旗、ニューヨークになびく」

 題名通りの写真になっています。下から見上げた写真にしたために高層ビルと旗のコントラストが面白いです。参加者の腰から下をカットして写すと、人物の表情が生かされた写真になったでしょう。
「選評」
 今回はたくさんの写真を見せていただきました。例年ですと他の部門の約半分といった応募枚数でしたが、今回はほぼ同数の作品を見せていただくことになりました。
 近年のデジカメの普及で、気軽に写真が写せるようになったために、肩の力が抜けた写真が多くなりました。良いことだと思います。今後、日常のちょっとしたことでも写真に撮ってみるという風にしていくと、もっと"土建"の生き生きとした姿が見えてくるのではないでしょうか。
 その場合でも、これはと思ったものは近づいたり離れたりと、いろいろ創意工夫をしてみるということは必要でしょう。そういうことの積み重ねで上位の写真のような、豊かで生き生きした写真をものにすることが出来るのだと思います。

【風景の部】

特選「霧の夜明け」

 自然の神秘を十分に感じさせてくれる写真です。そのことを見事に写し止めています。幽玄の世界に迷い込んだようです。逆光で切り詰めた露出と色彩の整理で独自の世界を描き出しています。黒の分量も効果的です。これが首都圏での光景とは信じられないほどです。

1席「冬の公園」

 逆光を上手に生かした心温まる写真です。人物の配置とそれらの影をうまく取り入れています。さらに、ストロボを同調させることで中心の親子が生かされ、変化のある画面になりました。

2席「影と踊る」

 樹木の影と桜の花びらをうまく組み合わせた面白い写真です。花びらの濃淡と木の枝ぶりで画面に動きを与えています。まさに木の影が躍っているような錯覚を覚えます。春先の温もりも感じられます

3席「高層ビル」

 都会の日常的な光景なのでしょうけど、こうして改めて写真で見せられると不思議な面白さがあります。晴天の青空が対象をくっきりと浮き立たせてくれました。作業員のそれぞれの姿態も面白いです。
「選評」
 風景を撮るときに注意したいことですが、見せたいところを象徴的に写すということも大切ですが、同時に光・光線を見ることも大切です。逆光や斜光はモノを立体的にしてくれます。そのことによって、対象の持っているものを豊かに描写することができます。それが、写真に奥行きを与えてより豊かな画面にすることができます。
 又、「天の橋立」ではありませんが、目線を変えて見てみるということも必要でしょう。ちょっと見方を変えただけで見え方が変わるものです。同じモノでも春夏秋冬、季節によって見え方が変わるし、同様に朝昼晩と時間によっても変化します。気になる被写体があった場合、そんなことにも気をつけるとよいでしょう。

【スナップの部】

特選「大都会の大きな大きな鏡」

 一瞬見せる"都会の顔"を見事に写し止めたすばらしい写真です。まるで映画のワンシーンのようです。丁度ビル影だったために周りのモノが弱められて、そのことが画面効果を増してくれました。アッ!と思った時に素早く写し止める、そうしたスナップ力を感じました。

1席「洗浄」

 作業自体はよくわかりませんが、シートに映った作業員のシルエットから一心不乱に働いている様子が伺い知れます。観る者を想像の世界に引き込んでしまう力があります。フレーミングも大胆でいいと思います。

2席「水遊び」

 子供の後ろ姿も可愛いですが、何よりも虹がいいですね。シャワーのホースも効果的です。ほのぼのとさせてくれる写真です。単なる"家族写真"を超えてこの時代の生活記録でもあります。

3席「ツリーを取る」

 発想がいいですね。昨年来スカイツリーの写真はたくさん見ていますが、単にツリーの変化を撮るだけでなく、お孫さんということですが、このように自分との関わりで撮っていくということが大切です。
「選評」
 "瞬間を写し止める"楽しさ。これは写真の独断場です。今回もそんな写真をたくさん見せていただきました。佳作の「初夏の戯れ」や「まつりにて」「がまの口上」などもいい瞬間にシャッターが切られています。
 "アッ"と思ったらすかさずシャッターを切る。これがいいスナップ写真をものにする秘訣です。そのためには、日頃から撮る事に慣れていることが必要です。それも、撮る前に考えない、撮ってから考えることです。撮りたいと思った時には、その対象が何かを発信していて、それに自分が反応したということですから、何かはわからないけれど大切な瞬間であることは確かです。それが何であったかは自分を含めてみんなで考えればいいと思います。これが写真の面白さでもあります。

[総評]
 今回もいろいろな写真を見せていただきました。時代の趨勢でしょうか、そのほとんどがデジタル写真だったようです。写真愛好者が増大するという点で歓迎すべき流れなのでしょう。
 今回の応募作品を見ても、相対的に身近の作品が多くなったように見られました。このことは、写真界全体から見ても良い傾向だと思います。それは、生活実感から見た・感じた日々の出来事が確実に写真という形に記録されて、後世に伝えられるということです。
 一方、手軽さゆいの落とし穴には気をつけたいものです。よく、撮ったその場で取捨選択して消してしまうという光景を目にします。記録メディアの効率を考えてのことでしょうが、せっかくの時代の記録が社会・時代の評価を受ける前に消滅されてしまうからです。大変怖いことなんです。
 同時に、これはという作品はできるだけ多くの人に見せる・発表することが大切です。個人的には多くの人の評価を受けるということになりますが、そのことによってその作品が社会的なものになり、更には、印刷などされれば時を経てそれは社会的遺産ともなります。
 写真を撮って発表するということはそんな可能性を持っているのです。

以上