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第29回 仲間の作品コンクール 結果発表!

写真の部

<関 次男 選>(佳作入選者は順不同)選考日 1月30日

風景の部

【特選】「陸前高田震災支援」  小林 千代子さん【練馬支部】

選評

 車の中から撮った写真でしょうか、ストロボの光や、頭髪の一部が写り込んでいます。それが、単なる風景写真ではない魅力となって"気になる写真"です。思わず目に飛び込んできた風景をすかさず写したという臨場感が伝わって来ます。一般には、ストロボの反射光は失敗写真とされがちですが、この写真の場合は、平板な写真にキャッチポイントとして効果的に働いています。奥深い写真です。

【1席】 「天空より見たもうひとつのスカイツリー」 髙田 玲子さん 【墨田支部】

選評

 大胆に影を中心に撮ったことで成功しました。"写真は、出会い、発見である"ということを写真にして見せてくれました。その場でしか見えない風景をズバリと撮ってくれました。作者の"なんだこれは"という声が聞こえてくるようです。あれこれ作画していない"ズバリ"の良さです。

【2席】「寒いっつーか、前、見えません」古舘 秀哉さん【多摩西部支部】

選評

 ガランとした駐車場と鉛色の色合いも手伝って、本当に寒そうな写真です。そういう点で作者の気持ちが十分に写されている写真だと思います。それとなく写されている他のドライバーの姿が写真的な効果を出しています。写真の原点とでもいえる写真です。

【3席】「秋の訪れ」 岸田 俊男さん【葛飾支部】

選評

 都会で感じた"季節"を写真で見せてくれました。こんな気配りが良い写真をものにする一歩です。ただ、立ち位置でそのまま撮ってしまったために、案山子、人物、都電が重なってしまい、写真が平板になってしまいました。目線を下げるなどしたら立体的な画面になり、季節を表す稲や案山子が強調されたでしょう。

【佳作】「苔の群生」 寺内 博さん【江東支部】

【佳作】「スカイツリーを写す」 佐渡 荘さん【武蔵野支部】

【佳作】「晩秋の羽村の堰」 原島 正義さん【西多摩支部】

【佳作】「縄状雲」 関口 鐵夫さん【足立支部】

【佳作】「狩前の古株で」 力武 邦博さん【江戸川支部】

【風景の部】選評

 いわゆる"風景写真"は、誰でもが撮れるだけに難しいものです。兎角、誰かが撮った魅力のある写真を真似しがちですが、その写真を撮るためにどれほどの苦労があったのか、その作者の気持ちはどうであったのかまでは推し量らないことが多いようです。それでは本当の真似にはなりません。魅力ある作品を作る人は決して他人の真似などはしません。どうしたら独自のモノが作れるかに腐心します。そうすることで、決して真似の出来ない独特のものが生み出されるのです。
 そんなことを考えると、心が動いたものを納得するまで撮ることしかないようです。自分だけが見たもの、感じたものは他人には真似できないからです。そんな写真を数多く撮ること。これが良い風景写真をものにできる秘訣かもしれません。今回もそんな写真が上位になったと思います。

スナップの部

【特選】「あの朝」  平尾 敏之さん【小平支部】

選評

 “あっちでも、こっちでも、全国で見た光景ですね”という、金環日食の朝。日食そのものではなく、見る人に注目したことで面白い写真になりました。なんでもない日常の中でも面白い写真が撮れるという見本のようなものです。よく見ると遠くの方にも同じような人々が居るのですが、右の電柱のために弱くなってしまいました。でも、子供の表情や後ろ向きの人などが適当なアクセントとなって、写真を面白くしています。

【1席】「おどらにゃそん」 内田 健司さん【西多摩支部】

選評

 なんとも可愛い写真です。大人でもそうですが、本人が真剣であればある程周りの人にとっては面白いものです。顔は笑っているようですが、"全身・全霊"で踊っている様子が、腰つきや、特に足の指先から伝わって来ます。そのアンバランスがいいですね。本人は真剣なんでしょうけど。

【2席】「うわー目が回る~」? 小澤 憲治さん 【日野支部】

選評

 “芸”ではなく“芸人”に焦点を当てて撮ったことで面白い写真になりました。芸人の真剣な表情と観衆の気持ちが一体になっています。"芸"は一輪車で十分ですから、女性の下半身は余分です。そうすると表情が強調されて、芸の厳しさ迄もが見えてきたでしょう。

【3席】「アンパン食べられる」? 板垣 善雄さん 【世田谷支部】

選評

 よく、"写真はピークの前後を狙え"といわれますが、まさにそのようなシャッターチャンスのいい写真です。顔、手、足、すべてに力がみなぎっていて、その緊張感が見る者に伝わって来ます。この場合は、背景説明をせずに、右半分だけを大胆に撮るともっと力強い写真になったでしょう。

【佳作】「ホット家族」 荒井 忠吉さん 【西多摩支部】

【佳作】「ガンバレー」? 佐渡 初枝さん 【武蔵野支部】

【佳作】「音がうるさい」 東條 康陳さん 【武蔵野支部】

【佳作】「おねだり」 駒形 光男さん 【墨田支部】

【佳作】「初雪」 中原 収さん 【東村山支部】

【スナップの部】選評

  "アッと思ったらすかさず撮る""スナップ写真は居合抜きのようなものだ"などと云われますが、まさにその通りで、そこがまた大きな魅力でもあります。
 同時に、私たちの "視る"という行為は、関心のあるものだけが見えて、その他は"見えない"というように処理してしまうという弱点を持っています。しかし、"写真"は"見えない"としたモノも写してしまいます。佳作になった写真の多くが、そんな、良い対象を良いタイミングで撮っているのですが、周りのモノがその良さを弱めてしまったというものでした。残念です。そんなことから、よく"ここだと思ったら一歩前進せよ"と云われる所以です。
 これはと思う好対象に出会ったら、角度を変えて多面的にいっぱい撮ることが大切です。

組合活動の部

【特選】?「涙堪えて とうちゃん勝ったよ!」? 芳井 武さん 【葛飾 支部】

選評

 「裁判勝訴」の瞬間を見事に写し止めたすばらしい作品です。特に、中心のご婦人の表情と"勝訴"を電話連絡しているご婦人の表情から、その瞬間の心の動き(感動)が直に伝わってきます。手に握りしめた遺影が更に写真的効果をあげています。左のご婦人の顔が必要であったかどうか、携帯を持つ手は必要だと思われますが…。

【1席】「体全体で原発反対」 八巻 幸雄さん【練馬支部】

選評

 “官邸前行動”でしょうか、訴求力のある写真です。ただ、折角のゴキブリの被り物が分かりずらくなってしまったことが残念です。もう少し下から狙って、ゴキブリが空に抜ける(出る)ようにしたら、もっと明確で面白い写真になったことでしょう。

【2席】「楽しい拡大」 菅谷 政一さん【北支部】

選評

 良い瞬間を捉まえました。主役の人物だけではなく、背景の横断幕やのし袋、サングラスのイラストなどを写し込んだことで、その場の和やかな雰囲気が伝わってきます。一般に文字を写し込むと煩くなりますが、この場合は画面効果を増しています。

【3席】「親子でパン食い」  野村 きみ子さん【日野支部】

選評

 楽しく微笑ましい写真です。中心の4人のそれぞれの表情がいいです。男の人や他の人の手の格好も面白いです。左右の親子の二組は4人とは別のことをやっていて、少々目障りになってしまいました。4人だけをズバリと撮るともっと良くなりました。

【佳作】「入れ!!」  白石 りえさん【世田谷支部】

【佳作】「ぼくは陽気なヤキトリ屋」  浅山 了二さん【江戸川支部】

【佳作】「伊豆でTPP来襲に備える主婦の会」 伊藤 和永さん【東村山支部】

【佳作】 「とったど~」 小笠原 一樹さん【多摩西部支部】

【佳作】?「投げてー!!」 野村 明雄さん【日野支部】

【組合活動の部】選評

 全体として、今回も感じたのですが、"活動"という文字にこだわってしまったのか、写真の(対象の)幅が狭かったようです。もっと気楽に"組合員さんの様子・姿"というように考えてもよいのではないでしょうか。
 そんな中でも、毎回、選んでいくと素晴らしい写真が浮かび上がって来ます。今回もそんな写真がありました。"写真は時代と心を写す"といわれますが、「特選」や「一席」の写真はまさにそれに相応しい作品だと思います。
 いい写真とは、"何があったのか"と、その出会いで"どう思ったのか"が一枚の写真の中に過不足なく写し込まれていることだと。そういう写真は、観る人に撮り手の気持ちが伝わるものだといわれます。そのことを一瞬に出来るということが観る人からは求められてもいるのです。

課題部門「わたしの仕事・わたしの道具」

<支部厚生文化部長 選>選考日 3月6日第2回総代会

【特選】?「集中」 北澤 京一さん 【葛飾支部】

【1席】「竹と藁縄」 渡辺 才子さん 【葛飾支部】

【1席】「名工「市弘」のノミ20本組 私の宝物です」 小堺 寿男さん 【豊島支部】

【2席】「腕(かいな)①」 遠藤 喜世志さん【江戸川支部】

【2席】「私の仕事」  金谷 修さん【江東支部】

総評

 デジタル技術の発達と普及で、写真は、今や誰でもが鉛筆を持つように使用することが出来るようになりました。携帯電話搭載カメラを含めると、人口を倍する台数とも言われています。誰でもが写真に気軽に親しめるようになったという点では嬉しいことです。逆に、それだけに難しくなったともいえます。

 今回は、昨年を上回る数の応募がありました。総覧して「峰は高く、谷は低くなった」という印象を受けました。それは、一つには容易に撮れるようになったために、より写真の中身に集中できるという長所が生かされた、内容豊かな写真が出てきたということ。反面、内容=伝えたいことが希薄ても"写真らしく"なってしまうという、短所に頼った写真もまた顔を出しはじめたということです。

 私も参加している、日本リアリズム写真集団附属の写真学校・現代写真研究所では、"写真もあなたの言葉です"を合言葉にしていますが、これは、写真も言葉のように"意思伝達の一つだ"という意味で使っています。言葉にも落語、講談、漫才、朗読、歌、演説、…と、それぞれ独自の世界があるように、写真もその語り口(形式)は様々です。相手に深く伝わるためにはどうしたらよいのか、どんな写真にしたらよいのか、試行錯誤が強く求められる時期にあるようです。"巧い写真より、内容豊かな写真"を期待します。

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