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第31回 仲間の作品コンクール 結果発表!
俳句の部
<敷地 あきら 選>
金賞
足場乗り初秋の風も快と知る 山本 邦彦(港支部)
選評
新築中の足場で作業中の作者、「初秋の風も快と知る」と、爽やかな初秋の風を高所の労働の励みとして今日も元気に働く作者である。
銀賞
墨壺の糸新しき初仕事 田中 明(大田支部)
選評
新年になって初めての仕事である。建築木材に「墨壺」で、直線引きである。作者「墨壺の糸新しき」と、初仕事の清々しさが詠われた。
銅賞
腕太き妻の背流す柚子の風呂 宮本 照代(西多摩支部)
選評
冬至の日とあって、香り高い柚子の実を風呂に浮かべて、「腕太き」仲良し共稼ぎ、夫妻の入浴・・・。愛する「妻の背を流す」は、ご主人だ。
佳作
花ふぶき子等の黒髪からみつく 本山 美知子(台東支部)
友逝きて野辺の送りに雪蛍 佐藤 千代(西多摩支部)
犬連れて白髪頭に除夜の鐘 神田 春之(足立支部)
冬枯れの野末を行くや一人旅 菅原 輝夫彦(東村山支部)
短日や現場の灯りまだ消えず 西村 明夫(調布支部)
選評
本山さん「花ふぶき」桜が舞い散る風情・・・。「子等の黒髪からみつく」が、子たちの楽しそうな賑わいが目にみえるようだ。佐藤さん「友逝きて野辺の送り」と、弱々しく飛ぶ雪蛍へ悲しい瞳。北国ではこの虫が飛ぶと雪が近いとか・・・。神田さん「犬連れて」と、白髪の作者。除の鐘を聴き、厳しい人生、来し方を思いつつの散歩・・・。菅原さん 野山が枯れ一色の蕭(しょう)条(じょう)な景をゆく一人旅。ベテラン登山家の作者かも・・・。西村さん 冬は日の暮れるのは早い。作者「短日や職場の灯りまだ消えず」と、煌々たる灯りの下、残業の仲間たちを想う作者なのである。