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第31回 仲間の作品コンクール 結果発表!

写真の部

<関 次男 選>(佳作入選者は順不同)選考日 1月30日

風景の部

【特選】「つたの染まる頃」 荒井 忠吉さん【西多摩支部】

選評

 逆光を生かした美しい写真です。立ち木に絡まる蔦を思いっきり直線的に切り取り、力強い写真にしています。背景のブルーの色彩が蔦紅葉をより強調してくれ、特に左半分はハッとするような美しさです。山全体も美しかったことでしょうが、このように切り詰めて撮ることによって美しさがより強調されます。

【1席】「雪の都電」 吉田 敬子さん【荒川支部】

選評

 雪など、気象条件の変化は風景を一変させてくれます。普段都会の雑踏を走る都電ですが、見たこともないような風景に出会うことができます。こんなことも風景写真の魅力です。何よりもそんな出会いを写真にしたことが素晴らしいです。

【2席】「晩秋の日差し」 北村 正好さん【小金井国分寺支部】

選評

 思い切り青空に向けて逆光の写真にしたことでススキが輝き、より“晩秋”が強調されました。ススキの葉が子どもの頭髪のようにも見えたりと不思議な写真になりました。

【3席】「新しい白のスクーターには白い風景が似合うぜ」 古舘 秀哉さん【多摩西部支部】

選評

 作者の思いとは別に、一見“山羊”を連想させるようなユーモラスな写真です。写真は時として撮った本人の思いを超えたものが写ったりします。それも写真の面白さです。

【佳作】「カワセミ」 力武 邦博さん【江戸川支部】

【佳作】「雲の河」 二見 文男さん【武蔵野支部】

【佳作】「うま」 岸田 俊男さん【葛飾支部】

【佳作】「小白鳥の群会議」 玉置 裕人さん【八王子支部】

【佳作】「朝霧と白鳥達」  斎木 康伸さん【練馬支部】

【風景の部】選評

 今回は、いつものいわゆる“風景写真”を超えた「アイデア写真」も見せていただきました。毎回のことですが、いわゆる“風景写真”は、誰でもがそれなりに撮れるだけに難しいものです。ただ、それぞれの写真をよく見ると、撮りたくなったであろうモノが写真のどこかに写っています。しかし、それが見る人に伝わるようには撮れていない。そんな写真が多かったように思いました。
 人に伝わるようにするにはどうするか。良い被写体に出会った場合、現場で決めつけないで、角度や見方を変えていろいろ撮ってみることです。そして、プリントしたものを現場で感じた気分を大切にして選ぶとよいでしょう。決して巧い写真・写真的というような基準で選ばないことです。自分に正直になることが大切です。

スナップの部

【特選】「ハスにも日傘」 加藤 昇平さん【武蔵野支部】

選評

 ご婦人の蓮の花を愛おしむような眼差しや仕草から、まさに題名の「ハスにも日傘」が浮かんだんでしょう。心優しい気持ちが伝わってくる写真です。
 日光の当たった蓮の花と日傘のコントラストがいいです。何よりも技巧的でないフレーミングに好感が持てます。何処からか花の香りがしてくるような心地よい空気感を感じます。行ってみたくなるような写真です。

【1席】「はつり2」 遠藤 栄太郎さん【武蔵野支部】

選評

 作業員さんの表情はわかりませんが、内側(逆光で)から狙ったことで工事現場の様子を超えた剥き出しの鉄筋や機械音が聞こえてくるような力強い写真になりました。
 フレーミングもいいですし、全体にアンダー気味の色調も力強さを増しています。ユニークな写真です。

【2席】「じゃまだよね」 堀田 稔さん【武蔵野支部】

選評

 姉弟なんでしょうか、稲刈りを終えた束の間の“悪ふざけ“、子供なりにひと仕事を終えた充実感や仲の好さそうな様子に好感が持てます。背景の田んぼの様子もいいです。何よりも、3人をズバリと撮ったところがいいですね。

【3席】「あきことふじさん」 波戸場 正紀さん【東村山支部】

選評

 暮れなずむ夕景を惜しむような湖畔の静かな空気感を感じます。人それぞれの思いをもってそこに佇んでいるのだと思います。そんな、人の思いが伝わってくるようです。淡い色調が静かに過ぎてゆく時間をより一層感じさせてくれます。富士山を全部入れなかったことで「あきこ」さんの気持ちがより伝わってきます。

【佳作】「頭キーン」 赤池 修さん【調布支部】

【佳作】「見よこの勇姿」 原島 正義さん【西多摩支部】

【佳作】「できた」 渡辺 義久さん【武蔵野支部】

【佳作】「ぼく お猿さん」 佐渡 荘さん【武蔵野支部】

【佳作】「しつれ~い」 谷口 孝子さん【武蔵野支部】

【スナップの部】選評

 スナップ写真の場合、撮りたいと思った瞬間に素早くシャッターが切れるかどうかが勝負になります。
 そのためには、対象の動きをよく観察して次の動きを予測することも必要です。対象をよく知ること、そのことによって予測が可能になります。同時に、どんな写真を撮りたいのかという撮り手側の欲求も必要です。つまり、欲しいものを予測しながら待つ。そんなことでよい写真をものにすることができます。今回上位になった写真の多くにはそんなことが感じられます。

組合活動の部

【特選】「やっぱり反対」 並木 晴己さん【多摩西部支部】

選評

 「集団的自衛権」についての街頭宣伝・アンケート行動の様子が、背景の暗さと対象に、シール投票板を大きく写し込み、宣伝する人を背景にとよくまとめられています。双方の表情からその時の会話が聞こえてくるようです。シールの色あいも画面のアクセントとなってしまりのある写真になっています。無駄のないフレーミングとともに、背景の暗さも効果的でした。伝えようとすることが素直に伝わるいい写真です。

【1席】「組合活動原発反対」 八巻 幸雄さん【練馬支部】

選評

 行動の様子ではなく、行動に参加した人の気持ちがよく伝わる写真です。自製のプラカードがいいですね。ストロボの同調(発光)が成功しています。何よりも静かな怒りのようなものが伝わってきます。

【2席】「フクシマ ボランティア2」 山本 晃さん【調布支部】

選評

 福島でのボランティア活動の一場面なんでしょうか。行事写真とはまた違った組合員さんたちの活動の一面を見せてもらいました。こんな場面をもっと見せていだだけると有り難いと思います。

【3席】「笑顔の募金」 野村 明雄さん【日野支部】

選評

 募金をする人・される人、お互いに心の通じたさわやかな気持ちの良い作品です。背景の空の感じもいいです。

【佳作】「国会請願(国会議事堂は見た)」 芳井 武さん【葛飾支部】

【佳作】「勝訴!」 相良 眞理さん【豊島支部】

【佳作】「笑顔」 内田 恒夫さん【板橋支部】

【佳作】「泉南アスベスト勝訴」 戸田 正勝さん【台東支部】

【佳作】「スタート直前」 滝沢 英子さん【武蔵野支部】

【組合活動の部】選評

 今回は、全体として写真の(対象の)幅が広がったようです。気楽に“組合員さんの日頃の様子や姿”に注目した写真が増えたように見受けられました。「佳作」の「国会請願」は今までにない見方でユニークな作品だと思います。
 そんな中で「特選」や「一席」になった写真は部門に相応しい作品だと思います。これらの写真には対象を分かるように写したということのほかに、対象との一体感や共感というものが感じられました。このように、誰が見てもいい写真とは、“何があったのか、対象との出会いで撮り手が“どう思ったのか”が写真の中に過不足なく写し込まれていることだと言えます。そういう写真は、観る人にその気持ちが伝わるものです。そのことが観る人から求められているのだと思います。

課題部門「仲間の笑顔」

<支部厚生文化部長 選> 選考日 1月19日厚生文化部会

【特選】「ほどけなーい!」 金谷 修さん【江東支部】

【特選】「スズケンの母ちゃん見事ストライク」 大西 文男さん【西多摩支部】

【1席】「練馬支部55周年ニコッニコ」 藤井 清一さん【練馬支部】

【1席】「イカダしに来た」 小笠原 一樹さん【多摩西部支部】

【1席】「立派なカニにVサイン」 渡辺 朝子さん【村山大和支部】

【1席】「楽しい走り」 宮崎 勝利さん【村山大和支部】

総評

 写真は、今や誰でもが簡単に親しむことが出来るようになりました。スマホや携帯のカメラを含めると、人口を倍する台数が普及していると言われています。誰もが気軽に写真に親しめるようになったことは嬉しいことですが、それだけに“写真”というものが難しくなっていることも事実です。
 今回作品を見せて頂いて感じたことは、「峰は高く、谷は低くなった」という印象を受けました。それは、一つには写真が簡単に撮れるようになったために、写真がより個性的で豊かになった面と、反対に簡単に“写真らしいもの”が撮れるために、伝えたい・見て欲しいという中身が希薄になってきたというような2面が出てきたように思います。
 よく“写真もあなたの言葉です”と言われますが、これは、写真も言葉のように“意思伝達の一つの手段だ”という意味です。それは、別な言い方をすれば“一人の人間”としての想いを写真に置き換える作業だ、ということです。
 絵画や演劇などにそれぞれ独自の表現方法があるように、写真もその語り口(形式)は様々です。誰かの真似ではなく、見る人に出会いや発見の感動を深く伝わるようにするためにはどうしたらよいでしょうか、それは、自分の気持ちに正直になることです。決して“巧い写真”を撮ろうと思わないことです。いい出会いや心が動かされた対象に出会った時に、なぜ心が動かされたのか、いろいろ見方を変えてたくさん撮ってください。それを後でじっくりと眺めて、撮った時の気持ちが写真に写っているかどうか検討することです。これを習慣化するとよいでしょう。