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第32回 仲間の作品コンクール 結果発表!

俳句の部

<田中 千恵子 選>

銅賞 銀賞 金賞
秩父嶺の裾に風吹き干大根 拾弐本尺杖作る初仕事 雪吊りのバンダナ赤き庭師かな

 
隅田川ゆらりゆらりと花いかだ ごろごろと言訳ばかり日雷 清流を転る様に河鹿なく 小雪舞いふと立ちどまる赤提灯 棟上げの木遣りの響く冬の空

金賞

雪吊りのバンダナ赤き庭師かな 田中 明さん(大田支部)

選評

 雪の重みで庭木や果樹の枝が折れないよう一本の支柱を立て、縄を八方に張る「雪吊り」。その作業をする庭師の中に、赤井バンダナで髪をきりっとまとめた人がいる。若い職人さんなのだろう。この仕事の将来性まで明るくする「バンダナの赤」が印象的な作品。

銀賞

拾弐本尺杖作る初仕事 渡邉 睦男さん(江戸川支部)

選評

 「尺杖」とは、一尺を基準に目盛りをつけた一間以上の長い物さしである。作者の職業は大工さん。建築現場ではまず、「尺杖」を作ることから仕事が始まるのであろう。清々しい意気込みの「初仕事」である。

銅賞

秩父嶺の裾に風吹き干大根 横山 トク(府中国立支部)

選評

 沢庵漬にするためには大根を洗い、軒先などに吊して日干しにする。秩父嶺から吹き下ろす風は、干し大根にいい皺を作り、美味しい漬けものに仕上がることだろう。書かれた景が目に見えるような作品である。

佳作

棟上げの木遣りの響く冬の空 佐藤 千代惠(西多摩支部)
小雪舞いふと立ちどまる赤提灯 菅原 輝夫(東村山市部)
清流を転る様に河鹿なく 関谷 博(江東支部)
ごろごろと言訳ばかり日雷 間邊 美恵子(豊島支部)
隅田川ゆらりゆらりと花いかだ 本山 美知子(台東支部)

選評

 一句目の佐藤作品。「棟上げ」の景がきっちりと描かれ、木遣り唄が聞こえてくるようだ。二句目の菅原作品。雪に「赤提灯」、ちょっと一杯やりたくなりますよね。三句目の関谷作品。「転る様」な河鹿の美声、聞いてみたいものだ。四句目の間邊作品。「ごろごろと言訳」は夫の言葉か。言訳やら甘い言葉やらのキャッチボールも楽しいものである。五句目の本山作品。「花いかだ」は桜の花びらが川面を流れゆく景。「ゆらりゆらり」に風情がある。

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