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第32回 仲間の作品コンクール 結果発表!

写真の部

<関 次男 選>(佳作入選者は順不同)選考日 2月5日

風景の部

【特選】「風雪を刻む」 小川 延男さん(北支部)

選評

 まさに風雪を経た美を見せてくれる写真です。構造物の形ではなく、その中に“経年の美“を見いだし、それを写し撮ったことで美しく印象深い写真になりました。柔らかい光線が構造物全体を想像させてくれます。特に下方の木目が美しいですね。このような独自の眼でモノを見ることが風景写真を豊かなものにしてくれるのだと思います。

【一席】「神田川の花筏」 相良 眞理さん(豊島支部)

選評

 水面の花筏に注目することで独特な写真になりました。川面の木漏れ日も水面に変化をつけてくれて上方の桜の花とのバランスを良くし、単なる花筏ではない美しい写真になりました。特に川面が日陰になるという撮影時間帯が良かったですね。

【二席】「山人の朝」 松舘 寛さん(足立支部)

選評

 旅先でのワンカットとか、その地の朝の様子を見せてくれるいい写真です。逆光の光線と霞のかかった遠景、中央の人物の動きでその地の暮らしぶりを浮き上がらせて見せてくれています。映画のワンシーンを見るようです。

【三席】「春の雪化粧」 荒井 忠吉さん(西多摩支部)

選評

 面白い取り合わせですね。滅多に出会いないものを写真にしてくれました。枝垂桜の美しさと季節外れの雪を上手く組み合わせていまあす。建物の屋根や植え込みに積もった雪が効果的に写し込まれ美しい写真になっています。

【佳作】「静寂」 岸田 俊男さん(葛飾支部)

【佳作】「坂の上」 滝沢 英子さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「ひととき」 島村 麻里子さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「生脈」 堀田 稔さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「天空の城竹田城頂上より」  土屋 清さん(西多摩支部)

【風景の部】選評

 今回も「風雪を刻む」や「神田川の花筏」のような、いわゆる“風景写真”を超えたような写真も見せていただきました。毎回のことですが、いわゆる“風景写真”は、誰もがそれなりに撮れるだけに難しいものだと言えます。ただ、それぞれの写真をよく見ると、撮りたくなったであろうモノが写真のどこかに写っています。しかし、それが見る人に伝わるようには撮れていない。そんな写真が多かったように思いました。
 人に伝わるようにするにはどうするか。撮りたい被写体に出会った時に“どれを、何処を”撮りたいのかをハッキリさせると良いと思います。角度や見方を変えていろいろ撮ってみることです。そして、プリントしたものを現場で感じた心の動きを大切にして選ぶとよいでしょう。決して巧い写真・写真的というような基準で選ぶのではなく、現場で感じたことを大切にすることが大切です。

スナップの部

【特選】
「湘南で出会った女性漁師さん」 高橋 美寿々さん(三鷹武蔵野支部)

選評

 何よりも“これぞ漁師”という写真ではなく、照れたような瞬間を写した“素直な写真”になったところがいいです。逆光気味の光線が“茶髪の若いお嬢さん漁師“を映しだしてくれました。背景の人物や海も効果的です。その他魚網や漁船などを必要最小限写し込むなど、手慣れた感じです。汚れたエプロンも逆行気味の光線のために逆に清潔感を感じさせてくれます。肩の力の抜けた良い写真です。

【一席】「育」 渡辺 義久さん(三鷹武蔵野支部)

選評

 望遠気味のレンズで背景をボカシ、人物を浮き上がらせた巧い写真です。背中のお子さんの表情がいいです。頭の手拭の上部をカットすることで観る人の注意を下方に集中させるなど巧い写真です。下方左に人物を写し込むことで他にも人がいることを感じさせてくれます。

【二席】「空も飛べるはず」 田中 洸司さん(三鷹武蔵野支部)

選評

 小雨の日の子どもの世界を良いタイミングで写し止めています。背景の住宅やコウモリを差した人物も効果的に写し込まれています。それぞれの色の取り合わせもいいですね。いい瞬間をモノにしました。す。背景の田んぼの様子もいいです。何よりも、3人をズバリと撮ったところがいいですね。

【三席】「朝食堂の店開き」 駒形 光男さん(墨田支部)

選評

 人気の少ない朝の店開きの感じがよく出ています。吸い寄せられるように店に向かう人たちや店主の動きがいいですね。遠方にマンションらしき建物が写し込まれていることで時代を感じさせてくれます。何よりも、人気のない道路や店内が伺えるという撮影時間がいいです。

【佳作】「お姉ちゃんの成人式」 稲荷平 浩さん(西多摩支部)

【佳作】「ボクも稲になる」 二見 文男さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「恵」 谷口 哲士さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「これ貼ったら昼食にしよ」 黒田 順さん(東村山支部)

【佳作】「東京五輪をめざせ」 堀田 祐子さん(三鷹武蔵野支部)

【スナップの部】選評

 スナップ写真は、多くの場合“撮りたい・撮っておきたい”と思った時にシャッターが的確に切れているかどうかだと思います。撮りたいと思った瞬間に素早くシャッターが切れるかどうかが勝負になります。そのためには、対象の動きをよく観察して次の動きを予測することも必要です。対象をよく知ること、そのことによって予測が可能になります。同時に、どんな写真を撮りたいのかという撮り手側の欲求も必要です。欲しいものを予測しながら待つ。そんなことでよい写真をものにすることができます。今回上位になった写真の多くにはそんなことが感じられます。
 スナップではないですが、佳作の「お姉ちゃん成人式」は舞台裏を写し込んだことでいろいろなことが想像できて面白い記念写真になっています。

組合活動の部

【特選】「雨の中に・・・」 芳井 武さん(葛飾支部)

選評

 雨の中の国会前集会でしょうか、青白い国会議事堂と濡れたコウモリの対比から参加者の“止むにやまれない”思いのようなものが伝わってきます。ブレた旗を写し込むんだことで集会の中身を類推することができます。街灯やそのハレーションと思われる月のような円形が偶然の好効果となっています。それを積極的に利用したことで印象深い写真になりました。

【一席】「じいちゃん餅つき楽しいね!!」 細谷 孝一さん(足立支部)

選評

 腰の入ったベテランのじいちゃんとお孫さんの対比がいいですね。なんとも危なっかしい様子のお孫さんを主役にしたところがいいです。左右にコウモリや人物を入れたことで、単なる“家族写真”ではないことが分かります。

【二席】「パン食い競走」 野村 明雄さん(日野支部)

選評

 何よりも子供たちの格好が面白いです。背景の人物や手前の地面の入れ方もいいです。背景の森を写し込んだことで、グランドのそれぞれの人物がより浮かび上がり、面白い写真になりました。

【三席】「不安」 清水 七郎さん(小平支部)

選評

 写真右に人物を写し入れたことで、背後の安倍総理と見られる不気味な人形が目立つようになり、単なるハリボテの写真ではなく“不安”を感じさせる写真になっています。

【佳作】「さよなら原発」 山本 晃さん(調布支部)

【佳作】「親子三代そうめん食べつくす」 寺内 博さん(江東支部)

【佳作】「ザ・駅宣」 相川 隆司さん(調布支部)

【佳作】「行くぜ!!集会」 鷲尾 俊彦さん(調布支部)

【佳作】「どうやって、やるの?」 菅谷 政一さん(北支部)

【組合活動の部】選評

 今回も多くの作品を見せていただきました。「特選」や「一席」になった写真は部門に相応しい作品だと思います。これらの写真には、単に対象を分かるように写したということのほかに、対象に対する共感や撮り手の気持ちというものが写真から感じられました。逆に「佳作」を含めて他の作品は、対象の説明に終わってしまったようです。このように、魅力ある写真には、“何があったのか、対象との出会いで撮り手が“どう思ったのか”が写真の中に過不足なく写し込まれているということが言えます。そういう写真は、観る人にその気持ちが伝わるものです。そのことが観る人から求められているのだと思います。

課題部門「若者の働く仕事場の姿」

<支部厚生文化部長 選> 選考日 1月19日厚生文化部会

【特選】「安全も万全・大木を化粧」 加藤 行夫さん(渋谷支部)

【一席】「茅葺屋根を守る」 荒井 忠吉さん(西多摩支部)

【二席】「仕上げはお任せ」 堀田 稔さん(三鷹武蔵野支部)

【三席】「型枠」 遠藤 栄太郎さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「安全第一」 村山 博司さん(足立支部)

総評

 写真は、今や誰でもが簡単に親しみ・撮ることが出来るようになりました。スマホや携帯のカメラを含めると、人口を倍する台数が普及していると言われています。
 写真が簡単に撮れるようになったために、写真がより個性的で豊かになったと同時に、簡単に“写真らしいもの”が撮れるために、伝えたい・見て欲しいという中身が希薄になってきたというような面が出てきたように思います。
 私たちは“写真もあなたの言葉です”をキャチフレーズにしていますが、これは、写真も言葉のように“意思伝達の一つの手段だ”という意味です。それは、別な言い方をすれば“一人の人間”としての想いを写真に置き換える作業だ、ということです。
 絵画や演劇などにそれぞれ独自の表現方法があるように、写真もその語り口(形式)は様々です。誰かの真似ではなく、見る人に被写体との出会いでの発見や感動を深く伝わるようにするためにはどうしたらよいでしょうか、それは、自分の気持ちに正直になることです。決して“巧い写真”を撮ろうと思わないことです。良い出会いや心が動かされた対象に出会った時に、何に心が動かされたのか、いろいろ見方を変えてたくさん撮ってください。それを後でじっくりと眺めて、撮った時の気持ちが写真に写っているかどうか検討することです。これを習慣化するとよいでしょう。