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第33回 仲間の作品コンクール 結果発表!

写真の部

<関 次男 選>(佳作入選者は順不同)

風景の部

【特選】「霧の中を上(のぼ)る」 荒井 忠吉さん(西多摩支部)

選評

 霧の中を行くモノレール。空気感のある写真です。手前の木と霧に霞む奥の木立の明暗差で奥行き感を出しています。長めのレンズで杉林の重層感が強調され、面白い写真になりました。直線的な木立と斜めのモノレールとの組み合わせで写真に動きが出ました。スッキリとした清潔感を感じます。まさにタイトル通りの光景です。霧の杉木立が美しく強調されているために、とかく目障りになるレールなどの構造物も気になりません。

【一席】「秋の宴に冬の使者」 吉川 恭司さん(練馬支部)

選評

 パステル画のような美しい写真です。遅めのシャッタースピードで雪が流れたことで幻想的な写真になりました。また、そのことで背景が単純化され、雪をかぶった紅葉の美しさが浮き上がりました。滅多に見られない光景を見事に写しとめました。

【二席】「街角の秋」 滝沢 英子さん(三鷹武蔵野支部)

選評

 紅葉した蔦の美しさもさることながら、更に赤い車を入れ込むことで赤い秋が強調されました。逆光気味の光線が赤い蔦のボリューム感を強調しています。街角を意識したのでしょうが、右方の木やビルを外して写すと紅葉した蔦がもっと美しく強調されたでしょう。

【三席】「イルカ岩と槍」 滝澤 敏春さん(足立支部)

選評

 半逆光の光線を上手く使いイルカ岩の立体感を出しています。また、仰ぎ見るようなアングルで岩を青空にぬかしたことでイルカが強調されました。背景に槍ヶ岳を写し込んだことも写真に立体感を持たせています。スッキリした清潔感のある作品です。

【佳作】「格子窓」 久保 猛磯さん(西多摩支部)

【佳作】「コロ柿の里」 志賀 照夫さん(墨田支部)

【佳作】「私は誰でしょう?」 菅谷 政一さん(北支部)

【佳作】「小さい秋みつけた」 千葉 たか子さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「光踊る水辺」  駒形 光男さん(墨田支部)

【風景の部】選評

 今回も、いわゆる“風景写真”を超えたような写真を見せていただきました。毎回のことですが、いわゆる“風景写真”は、誰もがそれなりに撮れるだけに難しいものです。ただ、それぞれの写真をよく見ると、撮りたくなったであろうモノ・事が写真のどこかに写っています。しかし、それが観る人に伝わるようには撮れていない。そんな写真が多かったように思いました。
 人に伝わるようにするにはどうするか。撮りたい被写体に出会った時に“どれを、何処を”撮りたいのかをハッキリさせると良いと思います。アングルや目線を変えていろいろ撮ってみるとよいと思います。そして、現場で感じた心の動きを大切にして写真を選ぶとよいでしょう。決して巧い写真や写真的かどうかというような基準で選ぶのではなく、対象との出会いで感じた心の動きを大切にすることがよいと思います。

スナップの部

【特選】
「僕からのプレゼント」 志賀 照夫さん(墨田支部)

選評

 いかにも悪戯っ子というような男の子と、どう対処してよいかわからないような表情の着飾った女の子の取り合わせがなんともいいですね。生垣でしょうか、単純化された暗い背景が更に二人を浮き立たせてくれて、印象深い写真になっています。子供の世界を見事に写しだしています。いろいろなことを想像させてくれる作品です。シャッターチャンスもいいですね。

【一席】「未来は横綱」 渡辺 義久さん(三鷹武蔵野支部)

選評

 主役を後ろから写していながら、中心の子の相手を威圧するような四股の形(タイミング)から“どうだ!”という気構えのようなものが感じられます。対照的に相手方三人の意気消沈したような気持ちを想像させるようなフレーミング(写し込み方)も見事です。フレーミングとシャッターチャンスのいい作品です。

【二席】「ねずみ君俺はいつまでも待ってるぜ」 小川 隆志さん(荒川支部)

選評

 猫の姿態から、つい猫の気持ちー諦め切れないーを推し量ってしまうような面白い作品です。滅多に出会わないようなこんな光景を“よくぞ写真に写してくれました”。スナップ写真の面白さです。タイトルにある猫の気持ちがダイレクトに伝わってくるような作品になっています。

【三席】「同じ目線で」 島村 麻里子さん(三鷹武蔵野支部)

選評

 何かを発見したのでしょうか、何かのタイミングで目線が変わった時に今まで見たこともないような世界(景色)に出会うことがあります。この人は(猫とは別の)そんなことを楽しんでいるのでしょう。写真からは、そんなことをさせてくれる農村の空気というものが伝わってきます。

【佳作】「タイムスリップ?ここ何処?」 田中 洸司さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「祭りの親子」 吉田 敬子さん(荒川支部)

【佳作】「ゴロゴロ~」 荒木 大輔さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「ここにも出現」 升川 明さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「仕事する職人」 進藤 藤男さん(三鷹武蔵野進藤 藤男支部)

【スナップの部】選評

 スナップ写真は、対象との出会いで撮影者が“撮りたい・撮っておきたい”と思った時に的確にシャッターが切れているかどうかだと思います。撮りたいと思った瞬間に素早くシャッターが切れるかどうかが勝負になります。そのためには、対象の動きをよく観察して次の動きを予測することも必要です。対象をよく知ること、そのことによって予測が可能になります。同時に、どんな写真を撮りたいのかという撮影者側の欲求も必要です。欲しいものを予測しながら待つ。そんなことでよい写真をものにすることができます。今回も上位になった写真の多くにはそんなことが感じられます。日頃から写真を撮ることに馴れるということも大切です。

組合活動の部

【特選】「切れ味、押えもいいねー」 吉川 恭司さん(練馬支部)

選評

 余裕綽々の女性の職人さんと、不安そうな表情の助っ人の男性との取り合わせが面白いですね。下から仰ぎ見るようなアングルで作者が何を撮りたかったのか、何を見て欲しかったのかが観る人に明確に伝わる写真です。又、それぞれの表情から三人三様の気持ちが観る人に伝わってきます。それとなく写し込んだ舞台の看板も効果的です。気持のいい写真です。

【一席】「訴ったえ?」 清水 七郎さん(小平東村山支部)

選評

 集会やデモ行進で使用する(した)モノでしょうか、参加した人々は写っていませんが、何のための集まりなのか、写真からその様子が想像できます。地面のこぼれ日が見る人の目線をプラカードに注目させるために効果的に取り入れられています。ユニークな撮り方です。

【二席】「早食いかき氷ガーン」 藤井 清一さん(練馬支部)

選評

 いい瞬間を正面からズバリと写しているところがいいですね。なんとも言えないいい表情です。雑然とした背景の様子も“組合の催し”を連想させてくれ、“単なる面白い写真”を超えた写真になっています。

【三席】「パパ頑張ってー?」 野村 明雄さん(日野支部)

選評

 よく見かける写真ですが、題名のように母子や子供を入れ込んだことでそれぞれ大人の“頑張り”が強調されました。さらに、手前の男性の手元に見える子供の手が効果的でタイトルにあるような心温まる写真になりました。

【佳作】「小平との合併で最後の東村山主婦の会旅行」 伊藤 和永さん(小平東村山支部)

【佳作】「かんな削りは真剣です」 相良 眞理さん(豊島支部)

【佳作】「かわいいデモ」 佐渡 荘さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「住宅デーも国際的に」 菅谷 政一さん(北支部)

【佳作】「もちつき大会」 加藤 高志一さん(狛江支部)

【組合活動の部】選評

 今回も多くの作品を見せていただきました。「特選」や「一席」になった写真は部門に相応しい作品だと思います。これらの写真には、単に対象を分かるように写したということのほかに、対象に対する共感や撮り手の気持ちというものが写真から感じられました。逆に「佳作」を含めて他の作品は、対象の説明に終わってしまったようです。このように、魅力ある写真には、“何があったのか、対象との出会いで撮り手が“どう思ったのか”が写真の中に過不足なく写し込まれているということが言えます。そういう写真は、観る人にその気持ちが伝わるものです。そのことが観る人から求められているのだと思います。

課題部門「至福の瞬間(とき)」

【特選】「幸せの旅立ち」 久保 猛磯さん(西多摩支部)

【一席】「家族そろって!!」 小川 延男さん(北支部)

【二席】「うるおい」 堀田 稔さん(三鷹武蔵野支部)

【三席】「釣れた、お父さん!逃がすなよ」 藤田 和美さん(練馬支部)

【佳作】「母、100才、元気です。」 杉浦 由美子さん(三鷹武蔵野支部)

総評

 写真は、今や誰でもが簡単に撮ることが出来るようになりました。スマホや携帯電話に搭載されたカメラを含めると、人口を超える数が普及していると言われています。
 写真が誰もが簡単に撮れるようになったために、個性的で豊かになったと同時に、簡単に撮れるために、伝えたい・見て欲しいという内容が希薄になってきたというような面も出てきたように思います。
 写真も他の分野ように“意思伝達の一つの手段だ”と言えます。別な言い方をすれば自分の想いを写真に置き換える作業だと言えます。
 絵画や演劇などにそれぞれ独自の表現方法があるように、写真もその形式は様々です。誰かの真似ではなく、被写体との出会いでの発見や感動、心の動きなどを伝わるようにするためにはどうしたらよいでしょうか。それは、自分の気持ちに正直になることです。決して“巧い写真”を撮ろうと思わないことです。“撮りたい”というように心が動かされた対象に出会った時に、何に心が動かされたのか、撮り方や見方をいろいろ変えてたくさん撮ってみることです。それを後でじっくり眺めて、出会った時の心の動きが写真に写っているかどうかという観点で繰り返しよく見ることです。これを習慣化するとよいでしょう。