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第34回 仲間の作品コンクール 結果発表!

写真の部

<関 次男 選>(佳作入選者は順不同)

風景の部

【特選】「びっくり緑のトンネル」 藤井 清一さん(練馬支部)

選評

 トンネル内の苔の色なのでしょうか、或は、水銀灯のような照明器具の色なのでしょうか、不思議な光景です。手前のトンネルは手掘りなのでしょうか、そのメラメラ感(凹凸)もその不思議さを強調しています。面白い写真です。

【一席】「古民家の守り人」 秋山 博さん(墨田支部)

選評

 思い切り露出を切り詰めたことで、囲炉裏の火や古民家の雰囲気、守り人が生かされました。外景の緑の草木も効果的に写し込まれています。全体に暗い感じの写真になっていますが、タイトルにマッチした作品になっていると思います。

【二席】「桃源郷の春」 滝澤 敏春さん(足立支部)

選評

 遠方の雪景色、手前の梅の花(?)、待ちに待った春という感じが伝わってくる作品です。また、手前に石積みの畑(?)を写し込んだことでその土地の厳しい立地条件なども伝わってきます。それだけに、待ちに待った春という感じが強調される作品のような気がします。

【三席】「白川郷の田んぼ」 小川 延男さん(北支部)

選評

 稲の切り株に積もった雪が何かの妖精のように見えてきます。見ていて飽きない作品です。タイトルでは、“田んぼ”となっていますが、上方の雪の部分をカットするなどして“田んぼ”という概念・発想を取り除くともっと楽しく観られるのではないでしょうか。

【佳作】「こがらし1号」 石井 きみ子さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「トルネード」 志賀 照夫さん(墨田支部)

【佳作】「水辺のエイリアン」 吉川 恭司さん(練馬支部)

【佳作】「歩くより読書がいい」 杉浦 由美子さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「有終彩の美」 荒井 忠吉さん(西多摩支部)

【風景の部】選評

 毎回のことですが、それぞれの写真をよく見ると、撮りたくなったであろうモノ・事が写真のどこかには写っています。しかし、それが観る人に伝わるようには撮れていない。そんな写真が多かったように思いました。
 人に伝わるようにするにはどうするか。撮りたい被写体に出会った時に“どれを、何処を”撮りたいのかをハッキリさせると良いと思います。また、現場で感じた心の動きを大切にして写真を選ぶとよいでしょう。決して巧い写真や写真的かどうかというような基準で選ぶのではなく、対象との出会いで感じた心の動きを大切にすることがよいと思います。

スナップの部

【特選】
「辺野古の建設労働者へ」 堀田 祐子さん(目黒支部)

選評

 プラカードや機動隊の車両、基地のフェンスなどを写し込んだことで、現地の緊迫した雰囲気が見る者に伝わってきます。現場をすべて写し込むのではなく、必要なものを最小限写したという作品になっています。画面がすっきりしています。それでも十分伝えたいことが伝わる、という作品になっていると思います。

【一席】「訓子さん口閉じなさい」 新井 靖雄さん(調布支部)

選評

 ぶどう狩りの一コマでしょうか、まさにハサミで切ろうという瞬間思わず口が緩んでしまったのでしょう、分かるような気もします。手元だけではなく、顔の表情も写し込んだところがこの写真を面白くしています。

【二席】「マグロと女の子」 藤井 清一さん(練馬支部)

選評

 スッキリとした気持のいい作品です。マグロと女の子だけをズバッと写したところがいいですね。マグロに出会った女の子のどう表現していいのかわからないといった気持ちが伝わってきます。色合いもいいです。

【三席】「握手しよう!」 吉田 敬子さん(荒川支部)

選評

 多分、撮影者にしかわからないハプニングだったのでしょう、そのことを把握していないような周辺の人たちとのギャップが面白いですね。少々古いギャグですが“ビックリしたなモウ”という感じですかね。

【佳作】「あらき100%解禁」 佐々木 建さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「シャボン玉の世界」 野村 明雄さん(日野支部)

【佳作】「休憩中」 今 茂洋さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「ワンニャン紅葉散歩」 石井 きみ子さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「土建祭りを睨む」 清水 七郎さん(小平東村山支部)

【スナップの部】選評

 スナップ写真は、対象との出会いで撮影者が“撮りたい・撮っておきたい”と思った時に的確にシャッターが切れているかどうかだと思います。3席の「握手しよう!」のように、撮りたいと思った瞬間に素早くシャッターが切れるかどうかが勝負になります。そのためには、対象の動きをよく観察して次の動きを予測することも必要です。対象をよく知ること、そのことによって予測が可能になります。同時に、どんな写真を撮りたいのかという撮影者側の欲求も必要です。欲しいものを予測しながら待つ。そんなことでよい写真をものにすることができます。今回も上位になった写真の多くにはそんなことが感じられます。日頃から写真を撮ることに馴れるということも大切です。

組合活動の部

【特選】「土建祭りでの上棟式」 清水 七郎さん(小平東村山支部)

選評

 青空を背景にした参加者の手、職人さんたち、空に舞うお菓子、吹き流しと、それぞれの取り合わせがいいですね。逆光気味の光線が参加者の手を通したそれぞれの気持ちをよく表わしています。参加者の手を中心に、上棟式であることの必要条件を過不足なく取り入れた清潔感のある作品になっています。真新しい家屋の骨組みも、清潔感を増しています。天気、光線、カメラアングルの良い作品です。

【一席】「さんま焼き隊」 佐藤 義光さん(目黒支部)

選評

 さんまを中心にした思い切りのよい写真です。長めのレンズで手前にピントを合わせたために、ごちゃごちゃ感になりがちな画面がスッキリとしました。シャッターチャンスの良い作品です。ドラム缶の火鉢(?)もよい味を出していますし、右の組合の半纏も効果的です。

【二席】「ストップ過労死」 堀田 祐子さん(目黒支部)

選評

 駅頭での署名活動の一コマでしょうか、夕暮れの駅頭という感じや署名を呼びかける人の気持ちがよく伝わる作品です。シャッターチャンスがいいですね。動く雑踏で象徴的な写真にするという発想が素晴らしいです。スッキリとしたいい作品です。

【三席】「職人」 小枝 精一さん(文京支部)

選評

 包丁を研ぐ手元の感じがいいですね、まさに職人の手という。また、手拭の鉢巻きなど、職人さんの格好もいいですね。モノクロの画面にしたこと、バケツなどの小物を写し込んだこともこの場合、写真的な効果をあげています。

【佳作】「まな板削り」 升川 明さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「スーパーボールすくい」 椹 三寛さん(豊島支部)

【佳作】「トン トン トン トン」 村井 長英さん(調布支部)

【佳作】「やったぞ!!アスベスト横浜地裁勝利判決」 丹野 俊彦さん(西多摩支部)

【佳作】「夢箱作り」 駒形 光男さん(駒形 光男支部)

【組合活動の部】選評

 今回も多くの作品を見せていただきました。上位になった写真は、単に対象を分かるように写したということのほかに、対象に対する撮影者の気持ちや共感というものが写真から伝わってきます。逆に他の作品の場合は、対象の説明に終わってしまったようです。魅力のある写真には、“何があったのか、対象との出会いで撮影者が“どう感じたのか”が写真の中に過不足なく写し込まれているということが言えます。そういう写真は、観る人に撮影者の気持ちが伝わるものです。観る人は、そういうものを求めているのだと思います。

課題部門「私の力作・傑作」

【特選】「巣立ちヒナ エナガ団子」 千葉 たか子さん(三鷹武蔵野支部)

【一席】「ぼくのおとうと」 佐渡 荘さん(三鷹武蔵野支部)

【二席】「ごあいさつ」 久保 猛磯さん(西多摩支部)

【三席】「ありがとう」 大原 愛さん(三鷹武蔵野支部)

【佳作】「早朝の釣り人」 江野宗太郎さん(三鷹武蔵野支部)

総評

 写真は、今や誰でもが簡単に撮ることが出来るようになりました。スマホや携帯電話に搭載されたカメラを含めると、人口を超える数が普及していると言われています。
 写真が誰もが簡単に撮れるようになったために、個性的で豊かになったと同時に、簡単に撮れるために、伝えたい・見て欲しいという内容が希薄になってきたというような面も出てきたように思います。
 写真も他の分野ように“意思伝達の一つの手段だ”と言えます。別な言い方をすれば自分の想いを写真に置き換える作業だと言えます。
 絵画や演劇などにそれぞれ独自の表現方法があるように、写真もその形式は様々です。誰かの真似ではなく、被写体との出会いでの発見や感動、心の動きなどを伝わるようにするためにはどうしたらよいでしょうか。それは、自分の気持ちに正直になることです。決して“巧い写真”を撮ろうと思わないことです。“撮りたい”というように心が動かされた対象に出会った時に、何に心が動かされたのか、撮り方や見方をいろいろ変えてたくさん撮ってみることです。それを後でじっくり眺めて、出会った時の心の動きが写真に写っているかどうかという観点で繰り返しよく見ることです。これを習慣化するとよいでしょう。