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第35回 仲間の作品コンクール 結果発表!

俳句の部

<田中 千恵子 選>

銅賞 銀賞 金賞
聖五月すっきりきまる鏝ならし 故郷の空へと急ぐ雪下ろし 神前に手斧始めの木端置く

 
ふぐさしの崩すに惜しき皿模様 今年もかひとりぼっちの聖なる夜 八ッ場ダム工事現場の山紅葉 国会の真上の空があれもよう 母の里棚田の秋もダムの中

金賞

神前に手斧始めの木端置く 渡辺 睦男さん(江戸川支部)

選評

 正月休みが終って、新年の仕事始め。大工さんにとって大事な仕事道具である手斧。その手斧で削った「木こっぱ端」を 神前に供え、今年1年の仕事の無事を祈る。大工さんらしい「手斧始め」の儀式がすがすがしい作品である。

銀賞

故郷の空へと急ぐ雪下ろし 関谷 博さん(江東支部)

選評

 ふるさとは雪国。そこには老いた親がくらしている。雪に埋ってしまうと買物にも行けない。早く、一刻も早く駆付け、 「雪下ろし」をしなければ、の作者の逸る心持が表出されている。昨年末から日本海側と北海道の豪雪は記録的なもので、 日々ニュースになっている。

銅賞

聖五月すっきりきまる鏝ならし  田中 明さん(大田支部)

選評

 ベテランの職人にとっても、鏝で美しい仕上げをするのはなまやさしいことではないのであろう。晴れた五月のけがれな き青空の「聖五月」が、手を添えてくれたかのような見事な仕上り。鏝職人ならではのさわやかな作品である。

佳作

母の里棚田の秋もダムの中 西村 明夫さん(調布支部)
国会の真上の空があれもよう 濱田 和男さん(荒川支部)
八ッ場ダム工事現場の山紅葉 清水萬里子さん(足立支部)
今年もかひとりぼっちの聖なる夜 永田 常彦さん(東尾久支部)
ふぐさしの崩すに惜しき皿模様 伊藤 章さん(荒川支部)

選評

1句目、かつて棚田を彩った黄金の稲穂。ダムをのぞけばその景がまざまざとよみがえる
2句目、「国会の真上の空」も国会内も暗雲が垂れこめている。あきらめず民意をつきつけていこう
3句目、先祖の墓も高台に移したが、このダム工事はいつ終るのか。このダムは本当に必要なのか
4句目、「ひとりぼっち」のクリスマスイブ。ちくりと胸が痛む作品。
5句目、皿の模様が透けて見える「ふぐさし」。「崩すに惜しき」だが、先をあらそって箸が出る。おいしかったことだろう。

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